規模によっては高額な費用が掛かる住宅リフォーム。
最適なローン選びはもちろん、国や自治体による補助金制度や、優遇税制を活用して計画を。
監修/ファイナンシャルプランナー 昆 知宏さん
長期間に渡って負債を抱えることになる住宅ローン・リフォームローン。
だからこそ、生活に合った最適なローンを選んで、無理なく無駄なく返済したい。
小規模工事の場合は、現金払いか銀行振込が一般的だが、費用が高額になる大規模リフォームの場合は、ローンを組む場合も。リフォームローンか住宅ローンを 利用するのが主流だが、住宅ローンの方が借入限度額が大きく、金利は低め。ただ、住宅ローンは担保設定が必要な物が多く、それに付随する諸費用が掛かる。そのほ かにも、ローンは金融機関ごとに商品設計が異なるため、どのローンが最適かを素人が判断するのは至難の業。そこで、下記のポイントをチェックしよう。これらに 注意しながらリフォーム会社と相談すれば、打ち合わせもスムーズだ。
住宅ローン・リフォームローンには、変動金利型、固定金利期間選択型(3年・5年・10年)、完全固定型の3タイプがあり、それぞれ長所・短所がある。また、金融機関 によっても全く金利が異なる。特に借入額が大きい場合は金利によって総返済額も大きく変わるので、自分たちに最適なプランを選べるようにしっかりチェックしよう。
ローンは早く返したいものだが、将来のための貯蓄や子どもの養育費なども考えて、毎月の返済額が無理のない金額かどうかチェックしたい。あえて長期のローンを 組んでおいて、余裕ができたら繰り上げ返済をするのもローンとの上手な付き合い方だ。今の住宅ローンと併用でローンを組む場合は特に注意を。
申し込み時の銀行手数料が無料のところもあれば、有料のところもある。手数料が無料だから全てが良いとは限らないが、ローン計画時にしっかりチェックしたい。 また「繰り上げ返済手数料」が掛かる場合は、繰り上げ返済をする度に手数料を支払うことになるので気をつけたい。
保証料は金利に含まれているのか、別途必要なのかも確認をしたい。また、金額の大きさによっては、担保の設定が必要な場合がある。その場合、登記が必要となるた め、思わぬ諸費用が掛かるので注意が必要だ。これらの金額や条件も金融機関によって異なるので、じっくりと比較検討を。
現在住宅ローンを組んでいる人は、借り換えも視野に入れましょう。今の住宅ローンの金利が高い人は借り換えるだけで数百万円トクすることもあります。思わぬリフォーム資金が調達できるかもしれません。
投資型減税、ローン型減税、固定資産税の減税や、住宅ローン減税、リフォームローン減税、
贈与税の非課税特例などさまざまな減税制度がある。
親などからの贈与は610万円まで非課税に ローン残高の1%が10年間、所得税から控除親や祖父母から住宅取得(新築のほか、中古住宅取得、リフォームも含む)のための資金贈与を受けた場合には、一定の要件を満たすと贈与税の非課税の特例を受けられる。2014年中の贈与の場合には500万円まで非課税となり、さらに110万円の基礎控除額と合わせて合計610万円まで贈与税が掛からない。
※省エネ・耐震等級で一定の基準を満たした建物の場合は1,000万円までが非課税になる。
ローン残高の1%が10年間、所得税から控除 10年以上の住宅ローン・リフォームローンを組んだ場合、ローンの年末残高の1%が10年間所得税から控除される。消費税が8%に引き上げられる2014年4月から控除限度額が引き上げになる。しかし、ローンの残高や所得税額などにより、控除額は大きく異なる。
※( )内は長期優良住宅・低炭素住宅の場合。
※上記は平成26年3月1日現在の情報。控除の詳細については最寄りの税務署または市区町村の担当部署に問い合わせを。
一定の条件をクリアした住宅リフォームには、国のほか都道府県、市区町村などで
独自の補助金制度を設けている場合がある。最新情報は各自治体に問い合わせてみよう。
安全な街づくりを進めるため、耐震リフォーム工事への助成制度を行っている自治体が多くある。助成の対象は主に「耐震診断」「補強計画」「補強工事」の3つだが、自治体によって補助金が適用になる対象や、助成金額、条件などが異なる。
介護保険制度では最大20万円までの工事費用の9割が補助される。自治体によっては独自の補助金を設けているところがあり、障害者認定を受けている家族が居住している場合、多くの自治体でバリアフ リーリフォームに補助金が適用される。
太陽光発電設備の導入や断熱改修などの省エネリフォームに対して国や自治体が独自に設けている補助金制度がある。例えばソーラーパネルを設置した場合は、国から6万円の補助金が出る(1kwあたり のシステム価格が41万円以下の場合)。
どのローンを選ぶかによって、総返済額は大きく変わってきます。借入金額が大きい場合は、金利によって数十万~数百万円も変わってきますので慎重な判断を! ファイナンシャルプランナー
昆 知宏さん